○金沢市における公共交通の利用の促進に関する条例
平成19年3月23日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第7条)
第2章 公共交通の利用の促進に関する基本的な施策(第8条―第14条)
第3章 公共交通の利用の促進のための支援等(第15条―第17条)
第4章 公共交通の利用の促進のための推進体制(第18条)
第5章 雑則(第19条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、自家用車から公共交通への転換等による公共交通の利用の促進について、基本理念を定め、及び市、市民、事業者等の責務を明らかにするとともに、公共交通の利用を促進するための基本となる事項を定めることにより、市、市民、事業者等が一体となって公共交通の利用を総合的に促進し、金沢市における歩けるまちづくりの推進に関する条例(平成15年条例第1号)及び金沢市における駐車場の適正な配置に関する条例(平成18年条例第6号)と相まって、良好な都市環境の形成に寄与することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この条例において「まちなか区域」とは、別表に定める区域をいう。
2 この条例において「パーク・アンド・ライド」とは、交通渋滞の緩和を目的に、本市の近郊において自家用車から公共交通機関に乗り換えて目的地に移動する行為をいう。
(基本理念)
第3条 公共交通の利用の促進は、公共交通が市民の日常生活における移動のための手段としてその利便性の向上が図られること及び市民によって積極的に利用されることを基本として行われなければならない。
2 公共交通の利用の促進は、公共交通が環境への負荷の少ない交通手段であることを認識し、環境への負荷の少ない社会への実現に資するものとして行われなければならない。
3 公共交通の利用の促進は、安全かつ快適に歩くことができるまちづくりや駐車場の適正な配置と相まって、金沢のまちの魅力を高め、にぎわいの創出に資するものとして行われなければならない。
4 公共交通の利用の促進は、地域の特性に応じて、市、市民、事業者等の相互の理解と連携のもとに、協働して行われなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、公共交通の利用の促進に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施しなければならない。
2 市は、基本理念にのっとり、前項の規定により策定する施策に市民及び事業者の意見を十分に反映させるよう努めるとともに、その施策の実施に当たっては、これらの者の理解と協力を得るよう努めなければならない。
3 市は、基本理念にのっとり、公共交通を事業として営む者(以下「公共交通事業者」という。)の当該事業の状況を踏まえ、公共交通事業者その他関係機関と協力しながら、公共交通の利便性の向上に努めるものとする。この場合において、特にまちなか区域においては、公共交通の利用によって円滑な移動を行うことができるよう配慮するものとする。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、公共交通の利用の促進についての理解と関心を深めるよう努めるとともに、本市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
2 市民は、まちなか区域においては、基本理念にのっとり、当該区域における交通渋滞及び環境への負荷の状況等を踏まえ、自家用車の利用を控えて公共交通を利用するよう努めなければならない。
3 市民は、まちなか区域以外の区域においては、基本理念にのっとり、できる限り公共交通を利用するよう努めなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、公共交通の利用の促進に配慮し、その従業員の通勤における公共交通の利用の促進その他の措置の実施に努めるとともに、本市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
(公共交通事業者の責務)
第7条 公共交通事業者は、基本理念にのっとり、公共交通の利用の状況を踏まえつつ本市の公共交通の利便性を高めるよう努めるとともに、本市が実施する施策に協力するよう努めなければならない。
第2章 公共交通の利用の促進に関する基本的な施策
(公共交通体系の実現)
第8条 市は、公共交通事業者その他関係機関と協力しながら、その需要に応じて、市民及び事業者が利用しやすい公共交通体系の実現に努めるものとする。
(まちなか区域における公共交通の利用の促進に係る施策の実施)
第9条 市は、まちなか区域における公共交通の利用を促進するため、公共交通事業者その他関係機関と協力しながら、まちなか区域全体の公共交通の利便性を高度に維持増進する等の措置を講ずるとともに、商店街等の事業者との公共交通の利用の促進に係る連携の推進、歩行環境等の確保その他必要な施策を実施するものとする。
(公共交通重要路線)
第10条 市は、第8条に規定する公共交通体系の実現を図る上で重要であると認められる路線(以下「公共交通重要路線」という。)について、関係機関の協力を得ながら、公共交通の利便性の向上及び利用の促進その他必要な施策を実施するものとする。
2 市民及び事業者は、公共交通重要路線における公共交通の利用に努めるとともに、公共交通機関が優先的に走行することについて協力するよう努めなければならない。
(パーク・アンド・ライドの利用の促進)
第11条 市は、公共交通事業者その他関係機関と協力して、パーク・アンド・ライドの利便性の向上に努めなければならない。
2 前項に定めるもののほか、パーク・アンド・ライドの利用の促進に関する事項は、金沢市における駐車場の適正な配置に関する条例第3章に定めるところによる。
(交通不便地域における地域交通計画)
第12条 山間地域その他の交通が不便であると認められる地域の住民により組織される団体で、自主的な運営により当該地域における交通手段を確保しようとするもの(以下「自主運営団体」という。)は、当該地域における交通手段に関する計画(以下「地域交通計画」という。)を策定することができる。
2 地域交通計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 地域交通計画の名称
(2) 地域交通計画の対象となる交通手段
(3) 前号に掲げる交通手段の運行の経路、計画、経費その他の運行に関する事項
(4) その他当該地域において交通手段を確保するために必要な事項
3 自主運営団体は、地域交通計画を策定するに当たっては、本市の交通に関する計画と調和するよう努めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。
4 自主運営団体は、第1項の規定により地域交通計画を策定したときは、市長と地域交通に関する協定(以下「地域交通協定」という。)を締結することができる。
5 市長は、地域交通計画に基づく当該地域における交通手段の確保を図るため必要があると認めるときは、当該地域交通協定の締結に係る自主運営団体が行う当該地域交通計画の具現化のための取組に協力するものとする。
(公共交通利用促進協定の締結等)
第13条 公共交通の利用を促進しようとするものと公共交通事業者とは、その相互において公共交通の利用の促進及び利便性の向上のための協定を締結することができる。
2 市長は、前項の協定でその内容が公共交通の利用の促進に寄与すると認めるものを公共交通利用促進協定として認定することができる。
3 市長は、前項の公共交通利用促進協定に係る活動に対して、必要な支援をすることができる。
(意識の高揚等)
第14条 市長は、公共交通の利用の促進に関する市民及び事業者の意識の高揚に努めるとともに、市民及び事業者による自主的かつ自発的な公共交通の利用の促進に関する活動が推進されるよう努めなければならない。
第3章 公共交通の利用の促進のための支援等
(国等への要請)
第15条 市長は、公共交通の利用の促進に関し必要があると認めるときは、国、県その他関係団体に対し、必要な協力を要請するものとする。
(援助)
第16条 市長は、公共交通の利用を促進するため必要があると認めるときは、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において財政的な援助をすることができる。
(表彰)
第17条 市長は、公共交通の利用の促進に著しく貢献したものを表彰することができる。
第4章 公共交通の利用の促進のための推進体制
(公共交通利用促進市民会議)
第18条 市、市民、事業者等は、それぞれの責務に基づいて、自主的かつ自発的に公共交通の利用の促進に関する活動を推進するため、公共交通利用促進市民会議(以下「市民会議」という。)を組織するものとする。
2 市民会議は、次に掲げる事項について協議するものとする。
(1) 公共交通の利用の促進に向けた意識の高揚に関する事項
(2) 公共交通の利便性の向上に関する事項
(3) その他公共交通の利用の促進に関する事項
第5章 雑則
(委任)
第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附則(令和6年3月27日条例第29号)
この条例は、公布の日から施行する。
別表(第2条関係)
(令6条例29・一部改正)
犀川、浅野川、IRいしかわ鉄道線、主要地方道金沢・湯涌・福光線、市道1級幹線4号広坂・新桜坂線、市道2級幹線301号卯辰山公園線、市道準幹線503号橋場・天神町線、市道準幹線505号扇町・石引線、市道本多町3丁目線5号、市道石引3丁目線4号、市道石引4丁目線3号及び市道出羽町線1号で囲まれた区域 |