○金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区における建築基準法の制限の緩和に関する条例

平成24年6月25日

条例第33号

(趣旨)

第1条 この条例は、建築基準法(昭和25年法律第201号。以下「法」という。)第85条の3の規定に基づき、金沢市伝統的建造物群保存地区保存条例(昭和52年条例第2号。以下「保存条例」という。)において定められた現状変更の規制及び保存のための措置を確保するため、金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区(以下「保存地区」という。)における法の規定による制限を緩和することに関し、必要な事項を定めるものとする。

(用語の意義)

第2条 この条例で使用する用語の意義は、法及び建築基準法施行令(昭和25年政令第338号)で使用する用語の意義の例によるほか、次に定めるところによる。

(1) 伝統的建造物 保存条例第3条第2項第2号に規定する伝統的建造物をいう。

(2) 修景基準 保存条例第3条第2項の規定により保存地区の保存に関する計画に定める同項第3号の保存整備計画(以下「保存整備計画」という。)において定められた伝統的建造物以外の建築物その他の工作物(以下「伝統的建造物以外の建築物等」という。)の修景基準をいう。

(3) 許可基準 保存整備計画において定められた伝統的建造物以外の建築物等の許可基準をいう。

(法の規定による制限の緩和)

第3条 保存地区内における次の表の左欄に掲げる建築物その他の工作物については、それぞれ同表の右欄に掲げる法の規定は、適用しない。

建築物その他の工作物

法の規定

伝統的建造物

(1) 増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下「増築等」という。)をするもので、当該増築等を行ったときの伝統的建造物の壁面(軒、ひさしその他これらに類するものを含む。以下同じ。)の位置が当該増築等に係る従前の伝統的建造物の壁面の位置から道路の側を超えず、かつ、当該増築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第44条第1項本文

(2) 増築等をするもので、当該増築等を行ったときの伝統的建造物の建築面積の敷地面積に対する割合が当該増築等に係る従前の伝統的建造物の建築面積の敷地面積に対する割合(当該割合が10分の8未満の場合にあっては、10分の8)を超えず、及び屋外への出口が規則で定める避難上有効な屋外への出口の設置に関する要件(以下「出口要件」という。)を満たし、かつ、当該増築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第53条

(3) 増築等をするもので、当該増築等を行ったときの伝統的建造物の各部分の高さが当該増築等に係る従前の伝統的建造物の各部分の高さを超えず、かつ、当該増築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第56条第1項第1号

修景基準に適合する伝統的建造物以外の建築物等

(1) 修景基準に適合して新築、増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替(以下「新築等」という。)をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の壁面の位置が当該伝統的建造物以外の建築物等を含む街区の辺にある伝統的建造物の壁面の位置(当該伝統的建造物の壁面の前面道路の中心線に対して最短の位置にあるものに限る。)を超えない範囲内で規則で定める壁面の位置(以下「基準壁面位置」という。)から道路の側を超えず、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第44条第1項本文

(2) 規則で定める敷地内において修景基準に適合して新築等をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の建築面積の敷地面積に対する割合が10分の8を超えず、及び屋外への出口が出口要件を満たし、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第53条

(3) 規則で定める敷地内において修景基準に適合して新築等をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の最高の高さが規則で定める高さを超えず、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの

第56条第1項第1号

許可基準に適合する伝統的建造物以外の建築物等

(1) 許可基準に適合して新築等をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の壁面の位置が基準壁面位置から道路の側を超えず、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの(当該許可又は協議に係る伝統的建造物以外の建築物等が町家等(寺院又は神社以外の建築物をいう。以下同じ。)である場合にあっては、当該町家等の壁面の位置が基準壁面位置にあるものとして、当該許可を受け、又は協議が成立したもの(以下「特例町家等」という。)に限る。)

第44条第1項本文

(2) 規則で定める敷地内において許可基準に適合して新築等をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の地階を除く階数が2以下であり、建築面積の敷地面積に対する割合が10分の8を超えず、及び屋外への出口が出口要件を満たし、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの(当該許可又は協議に係る伝統的建造物以外の建築物等が町家等である場合にあっては、特例町家等に限る。)

第53条

(3) 規則で定める敷地内において許可基準に適合して新築等をするもので、当該新築等を行ったときの伝統的建造物以外の建築物等の最高の高さが規則で定める高さを超えず、かつ、当該新築等について保存条例第4条第1項の規定による許可を受け、又は保存条例第6条の規定による協議が成立したもの(当該許可又は協議に係る伝統的建造物以外の建築物等が町家等である場合にあっては、特例町家等に限る。)

第56条第1項第1号

(委任)

第4条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

金沢市寺町台伝統的建造物群保存地区における建築基準法の制限の緩和に関する条例

平成24年6月25日 条例第33号

(平成24年6月25日施行)

体系情報
第8類 教育・文化/第7章 文化財
沿革情報
平成24年6月25日 条例第33号