○金沢市における社会環境に悪影響を及ぼすホテル等の建築の規制に関する条例

平成19年3月23日

条例第4号

(目的)

第1条 この条例は、本市における社会環境に悪影響を及ぼすホテル等(以下「ラブホテル等」という。)の建築について、必要な規制を行うことにより、市民の清純な生活環境及び善良な風俗を保持し、並びに青少年の健全な育成を図り、もって市民の快適で良好な社会環境の形成に資することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において「ラブホテル等」とは、名称のいかんにかかわらず、業として人の宿泊又は休憩の用に供するための施設のうち、専ら異性を同伴する客に利用させることを目的とするものであって、その構造及び設備が次の各号のいずれかに該当する施設をいう。

(1) 外側から内部を見通すことができ、かつ、営業時間中に自由に出入りすることができる玄関を有しない構造であるもの

(2) 玄関又は帳場が客との面接に適さず、又は附帯設備を設け、客と直接面接することを要しない利用を可能とする構造であるもの

(3) 建築物の1階に設けられた駐車場及びピロテイ(建物を支持する独立柱が並ぶ吹放ちの空間をいう。)の面積の合計の建築面積に対する割合が規則で定める割合を超える構造であるもの

(4) 車庫又は駐車場に隔壁、つい立て等を設け、車庫又は駐車場の内部においてその全体を見通すことができない構造であるもの

(5) 車庫又は駐車場から玄関又は帳場を経由せず、直接客室に通ずることができる専用の出入口を有する構造であるもの

(6) 宿泊客以外の者であっても自由に利用することができ、かつ、当該施設の収容人員に応じ規則で定める広さのロビー、応接室、談話室等(以下「ロビー等」という。)を有しない構造であるもの

(7) 宿泊客以外の者であっても自由に利用することができ、かつ、当該施設の収容人員に応じ規則で定める広さの食堂、レストラン、喫茶室等(以下「食堂等」という。)及びこれらに付随する調理室を有しない構造であるもの

(8) ロビー等及び食堂等の共用部分の付近に共同用の便所を有しない構造であるもの

(9) 客室に専ら客の性的感情を刺激するための装置、照明、装飾品その他の設備を設けるもの

(10) 旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項に規定する旅館・ホテル営業を行うための施設であって、ベッドの数が1であり、かつ、定員が2人以上である客室の数の全客室数に対する割合が規則で定める割合を超える構造であるもの

(11) 形態、意匠又は附属する広告物が周囲の清純な生活環境を害すると認められるもの

(12) 前各号に掲げる構造及び設備に関する基準を補足するために規則で定める当該基準の細目に該当するもの

2 この条例において「ホテル等」とは、旅館業法第2条第2項又は第3項に規定する営業を行うための施設(金沢市旅館業の適正な運営の確保に関する条例(平成24年条例第76号)第2条第7号に規定する施設外玄関帳場を除く。)をいう。

3 この条例において「建築」とは、建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第13号に規定する建築(規則で定める増築又は改築を除く。)、同条第14号に規定する大規模の修繕若しくは同条第15号に規定する大規模の模様替若しくは同法第87条第1項の規定による用途の変更又は次に掲げる修繕若しくは模様替をいう。

(1) 各客室の面積の変更又は総客室数の変更を伴う修繕又は模様替

(2) 規則で定める外観又は意匠の変更を伴う修繕又は模様替

(平30条例32・令2条例27・一部改正)

(ラブホテル等の建築の禁止)

第3条 何人も、都市計画法(昭和43年法律第100号)第8条第1項第1号に規定する商業地域(次に掲げる区域を除く。)を除く本市の区域(以下「規制区域」という。)内においては、ラブホテル等の建築をしてはならない。

(2) 金沢市こまちなみ保存条例(平成6年条例第1号)第5条第1項の規定に基づき指定されたこまちなみ保存区域

(4) 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第143条第1項の規定に基づき定められた伝統的建造物群保存地区

(5) 次に掲げる施設の敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲おおむね200メートル以内の区域

 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する学校、同法第124条に規定する専修学校及び同法第134条第1項に規定する各種学校

 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第7条第1項に規定する児童福祉施設

 社会教育法(昭和24年法律第207号)第20条に規定する公民館

 図書館法(昭和25年法律第118号)第2条第1項に規定する図書館

 博物館法(昭和26年法律第285号)第2条第1項に規定する博物館及び同法第29条に規定する博物館に相当する施設

 都市公園法(昭和31年法律第79号)第2条第1項に規定する都市公園

(平19条例49・平21条例4・一部改正)

(ラブホテル等の建築の確認)

第4条 規制区域内においてホテル等の建築をしようとする者(以下「申請者」という。)は、建築基準法第6条第1項及び第6条の2第1項(これらの規定を同法第87条第1項において準用する場合を含む。)に規定する確認の申請等(以下「建築確認申請等」という。)を行う前(第2条第3項各号に規定する修繕又は模様替をしようとする場合にあっては、当該修繕又は模様替に係る工事の着工の前)に、規則で定めるところにより、市長に申請して、当該ホテル等の建築がラブホテル等の建築に該当するかどうかについて市長の確認(以下「ホテル等の確認」という。)を受けなければならない。

2 市長は、ホテル等の確認を行うときは、第13条に規定する金沢市ラブホテル等建築審議会の意見を聴かなければならない。ただし、当該審議会が軽微な事項と定めるものについては、この限りでない。

3 市長は、ホテル等の確認を行うに当たり、当該ホテル等の構造及び設備が第2条第1項各号のいずれかに該当する場合であっても、当該ホテル等の建築が、第1条の目的に反するおそれがなく、かつ、当該ホテル等の立地上、構造上、設備上その他の理由によりやむを得ないと認めるときは、ラブホテル等の建築に該当しないものとすることができる。

4 市長は、ホテル等の確認をしたときは、その結果を申請者に通知するものとする。

(令2条例27・一部改正)

(標識の掲出)

第5条 申請者は、前条第1項の規定によるホテル等の確認の申請(以下「ホテル等の確認申請」という。)をした日後30日間、当該建築をしようとするホテル等の敷地内における公衆の見やすい場所に、当該ホテル等の建築の概要を記載した標識を掲出しなければならない。

2 申請者は、前項の標識を掲出したときは、直ちに市長に届け出なければならない。

(建築の説明等)

第6条 申請者は、近隣住民から当該ホテル等の建築に関する問い合わせがあったときは、説明会の開催その他の必要な措置を講じなければならない。

(説明状況の報告)

第7条 申請者は、第5条第1項の規定により標識を掲出した日後30日を経過したときは、直ちに前条の問い合わせの内容及び同条の規定により講じた措置について市長に報告しなければならない。

(意見書の提出)

第8条 当該建築をしようとするホテル等の敷地の周囲おおむね200メートル以内の区域の住民及び土地の所有者その他の利害関係者は、規則で定めるところにより、市長に当該ホテル等の建築に関し、第1条の目的を達成する見地から意見書を提出することができる。

(指導又は勧告)

第9条 市長は、規制区域内においてホテル等の建築をし、又は建築をしようとする者に対し、この条例の施行に必要な限度において、当該ホテル等の建築について必要な指導又は勧告を行うことができる。

2 市長は、前項の規定による勧告をしようとするときは、あらかじめ、第13条に規定する金沢市ラブホテル等建築審議会の意見を聴かなければならない。

(中止命令等)

第10条 市長は、次に掲げる者に対し、当該ホテル等の建築の中止を命じ、又は相当の期間を定めて原状回復その他必要な措置を命ずることができる。

(1) 第3条又は第4条第1項の規定に違反してホテル等の建築をし、又は建築をしようとする者

(2) 虚偽のホテル等の確認申請によりホテル等の建築をし、又は建築をしようとする者

2 市長は、前項の規定による命令をしようとするときは、あらかじめ、第13条に規定する金沢市ラブホテル等建築審議会の意見を聴かなければならない。

(公表)

第11条 市長は、前条第1項の規定による命令を受けた者が当該命令に従わないときは、その旨を公表することができる。

2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表をされるべき者にその理由を通知し、かつ、意見を述べ、及び有利な証拠を提出する機会を与えるとともに、第13条に規定する金沢市ラブホテル等建築審議会の意見を聴かなければならない。

(立入調査)

第12条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、その職員にホテル等又はホテル等の敷地若しくは建築現場に立ち入り、必要な調査を行わせることができる。

2 前項の規定により立入調査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者にこれを提示しなければならない。

3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(金沢市ラブホテル等建築審議会)

第13条 ラブホテル等の建築の規制に関する事項を調査審議するため、金沢市ラブホテル等建築審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(審議会の任務)

第14条 審議会は、この条例に規定する事項その他のラブホテル等の建築の規制に関する事項について市長の諮問に応じるほか、ラブホテル等の建築の規制に関し必要な事項について市長に意見を述べることができる。

(組織等)

第15条 審議会は、委員10人以内で組織する。

2 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) ホテル等の建築に関し識見を有する者

(2) 関係団体を代表する者

(3) 関係行政機関の職員

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを選任する。

5 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

6 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(委任)

第16条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(罰則)

第17条 第10条第1項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は500,000円以下の罰金に処する。

2 第12条第1項の規定による立入調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、300,000円以下の罰金に処する。

第18条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して同条の罰金刑を科する。

1 この条例は、平成19年7月1日から施行する。

2 この条例は、この条例の施行の日(以下「施行日」という。)以後にホテル等の建築に係る建築確認申請等(第2条第3項各号に規定する修繕又は模様替をしようとする場合にあっては、当該修繕又は模様替に係る工事の着工)がなされる当該ホテル等の建築について適用する。

3 施行日前に金沢市モーテル類似施設設置規制指導要綱(昭和59年告示第5号)の規定によりされた手続その他の行為は、この条例に相当規定があるときは、この条例の相当規定によりされたものとみなす。

4 この条例の施行の際現に存するホテル等で、ラブホテル等に該当すると認められるものについては、この条例の規定は、適用しない。ただし、施行日以後において当該ホテル等の建築をしようとする場合は、この限りでない。

(平成19年9月20日条例第49号、金沢美術工芸大学授業料等徴収条例及び金沢市における社会環境に悪影響を及ぼすホテル等の建築の規制に関する条例の一部を改正する条例第2条による改正)

この条例は、学校教育法等の一部を改正する法律(平成19年法律第96号)の施行の日から施行する。〔平成19年政令第362号で、平成19年12月26日から施行〕

(平成21年3月24日条例第4号、金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例附則第17項による改正抄)

1 この条例は、規則で定める日から施行する。〔平成21年規則第57号で、平成21年10月1日から施行〕

(平成30年3月26日条例第32号)

この条例は、平成30年6月15日から施行する。

(令和2年3月25日条例第27号)

1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。ただし、第2条第2項の改正規定は、同年7月1日から施行する。

2 改正後の第2条第1項第7号、第8号及び第10号並びに第4条第3項の規定は、令和2年4月1日以後にホテル等の確認の申請がなされるホテル等の建築について適用し、同日前にホテル等の確認の申請がなされたホテル等の建築については、なお従前の例による。

3 この条例の施行前にした行為及び前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

金沢市における社会環境に悪影響を及ぼすホテル等の建築の規制に関する条例

平成19年3月23日 条例第4号

(令和2年7月1日施行)

体系情報
第13類 都市整備/第1章 都市計画等/第1節 都市計画
沿革情報
平成19年3月23日 条例第4号
平成19年9月20日 条例第49号
平成21年3月24日 条例第4号
平成30年3月26日 条例第32号
令和2年3月25日 条例第27号