○金沢市における土地利用の適正化に関する条例
平成12年3月24日
条例第12号
(目的)
第1条 この条例は、本市の市街化区域以外の区域における土地利用について、市民の参画による土地利用の適正化を図るための基本となる事項等を定めることにより、その地域にふさわしい市民主体の秩序ある土地利用を図り、もって当該市街化区域以外の区域における無秩序な開発及び災害の防止並びに自然環境の保全に寄与することを目的とする。
(1) 市街化区域以外の区域 都市計画法(昭和43年法律第100号。以下「法」という。)第4条第2項に規定する都市計画区域以外の区域及び法第7条第3項に規定する市街化調整区域をいう。
(2) 開発事業 次に掲げる行為をいう。
ア 法第4条第12項に規定する開発行為
イ 土地の区画形質の変更(アに掲げるもの及び農林漁業を営むために行うものを除く。)
ウ 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に規定する建築物(以下「建築物」という。)の建築(同条第13号に規定する建築をいう。以下同じ。)、建築物の大規模の修繕(同条第14号に規定する大規模の修繕をいう。)又は建築物その他の工作物の用途、形態若しくは意匠の変更
エ 木竹の伐採
(3) 事業者 開発事業を行う者をいう。
(4) 住民等 市街化区域以外の区域内に住所を有する者又は市街化区域以外の区域内に存する土地若しくは建築物の所有者(これらについて使用することができる権利を有する者を含む。)をいう。
(5) 葬儀場 業として葬儀を行うことを主たる目的とした集会施設をいう。
(6) ペット霊園 犬、猫その他の人に飼養されていた動物(化製場等に関する法律(昭和23年法律第140号)第1条第1項に規定する獣畜を除く。)の死骸を火葬する火葬炉の設備又は当該死骸を埋葬し、若しくは当該死骸に係る焼骨を納骨するための設備(専ら自己の利用に供する目的で設置するものを除く。以下「火葬設備等」という。)を有する施設及び火葬設備等を併せ有する施設をいう。
(7) 住宅宿泊事業施設 住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第2条第3項に規定する住宅宿泊事業の用に供する施設をいう。
(8) 旅館・ホテル 旅館業法(昭和23年法律第138号)第2条第2項に規定する旅館・ホテル営業の施設をいう。
(9) 簡易宿所 旅館業法第2条第3項に規定する簡易宿所営業の施設(金沢市旅館業の適正な運営の確保に関する条例(平成24年条例第76号)第2条第7号に規定する施設外玄関帳場を除く。)をいう。
(平24条例26・平30条例31・令2条例26・一部改正)
(土地利用基準の策定等)
第3条 住民等は、土地利用の適正化を図るため、当該地区における土地利用に関する基準(以下「土地利用基準」という。)を策定することができる。
2 土地利用基準には、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 土地利用基準の名称
(2) 土地利用基準の対象となる区域
(3) 土地利用の目標及び方針
(4) その他土地利用の適正化を図るために必要な事項
3 住民等は、土地利用基準を策定するに当たっては、本市の土地利用に関する基準と調和するよう努めなければならない。
4 住民等は、土地利用基準の策定に着手した場合において、次条第1項の規定に基づく土地利用協定の締結に向けた準備をしている地区(以下「土地利用協定準備地区」という。)として公表を希望するときは、その旨を市長に申し出ることができる。
5 市長は、前項の規定による申出があった場合において、土地利用協定準備地区として公表することが適当であると認めるときは、当該申出の内容等を公表するものとする。
(令2条例26・一部改正)
(土地利用協定)
第4条 住民等は、前条の規定により土地利用基準を策定したときは、市長と土地利用に関する協定(以下「土地利用協定」という。)を締結することができる。
2 市長は、土地利用協定を締結しようとするときは、金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例(平成12年条例第11号)第7条に規定する金沢市まちづくり審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴くことができる。
3 土地利用協定の内容は、本市が土地利用に関して定めた基準等を緩和するものであってはならない。
4 市長は、土地利用協定を締結したときは、その旨及びその内容を公告しなければならない。
5 前3項の規定は、土地利用協定を変更する場合について準用する。
(土地利用協定の遵守等)
第5条 前条の規定により締結された土地利用協定に係る区域(以下「協定区域」という。)内の住民等は、当該土地利用協定の内容を十分に理解し、これを遵守しなければならない。
2 事業者は、協定区域内において、開発事業を行おうとするときは、自らが行う開発事業が協定区域の土地利用に影響を及ぼすことを認識するとともに、当該土地利用協定の内容を十分に理解し、これを遵守しなければならない。当該開発事業が完了した後においても、同様とする。
3 事業者は、協定区域内において、開発事業(法第58条の2第1項各号に掲げる行為に該当するものを除く。)を行おうとするときは、第6項の規定による届出の日の14日前までに、当該協定区域内の住民等に当該開発事業について周知しなければならない。
4 事業者は、協定区域内の住民等から当該開発事業に関する問合せがあったときは、誠実に対応しなければならない。
5 事業者は、協定区域内における開発事業について、前条第1項の規定により市長と土地利用協定を締結した当該協定区域内の住民等の代表者として市長が定める者(以下「代表者」という。)から協議の要請があるときは、これに応じなければならない。
7 事業者は、前項の規定により届け出た事項に変更があったときは、直ちにその旨を市長に届け出なければならない。
8 市長は、前2項の届出に係る開発事業の内容が土地利用協定に適合しないと認めるときは、当該届出をした者と協議の上、必要な措置を講ずるための助言又は指導を行うものとする。
9 市長は、前項の規定により助言又は指導を行う場合は、必要に応じて、審議会又は協定区域内の住民等の意見を聴くことができる。
(平27条例61・一部改正)
(自主的合意形成)
第5条の2 協定区域内において、開発事業を行おうとする事業者及び代表者(以下「関係当事者」という。)は、前条第5項の規定による協議においては、相互の立場を尊重し、自主的に合意に至ることを基本とする。
(平27条例61・追加)
(土地利用協定の遵守に係る関係当事者間の協議の調整)
第5条の3 関係当事者は、前条の規定に基づく自主的な合意形成の過程において、繰り返し協議を行ったにもかかわらず、合意に至らない場合は、当該協議の調整を市長に要請することができる。
2 前項の規定による要請は、開発事業に着手する日までに行わなければならない。
3 市長は、第1項の規定による要請を受けたときは、必要に応じて、関係当事者と協議の上、調整を行うものとする。
4 市長は、前項の規定による調整を行うため必要があると認めるときは、関係当事者に対し、出席を求め、意見若しくは説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
5 市長は、第3項の規定により調整を行う場合は、必要に応じて、審議会の意見を聴くことができる。
(平27条例61・追加)
(開発事業の協議等)
第6条 事業者は、市街化区域以外の区域内において、次に掲げる開発事業を行おうとするときは、自らが行う開発事業が周辺の土地利用に影響を及ぼすことを認識の上、当該開発事業の実施に係る計画書(以下「実施計画書」という。)を作成し、あらかじめ市長に提出しなければならない。
(1) 面積が1,500平方メートル以上の土地に係る開発事業
(2) 規則で定める中高層の建築物の建築に係る開発事業
(3) 畜舎(建築基準法別表第2(に)項第6号に掲げるものをいう。)、葬儀場その他適正な土地利用の確保に影響を与えるおそれのある施設として規則で定める施設に係る開発事業
(4) ペット霊園の新設、ペット霊園の区域内における新たな火葬設備等の設置又はペット霊園の区域の変更に係る開発事業
(5) 住宅宿泊事業施設に係る開発事業
(6) 旅館・ホテル又は簡易宿所に係る開発事業
2 事業者は、前項の規定による実施計画書の提出をした日後30日間、当該開発事業を行う土地における公衆の見やすい場所に、その概要を示す標識を設置しなければならない。ただし、同項第6号に掲げる開発事業を行おうとする場合において、同項の規定による実施計画書の提出をした日後に、金沢市における社会環境に悪影響を及ぼすホテル等の建築の規制に関する条例(平成19年条例第4号)第5条第1項の規定による標識の掲出があったときは、本文の規定による標識の設置があったものとみなす。
3 事業者は、前項の標識を設置したときは、直ちに市長に届け出なければならない。
4 事業者は、第2項の規定による標識の設置期間中に、周辺の住民等から当該開発事業に関する問合せがあったときは、説明会の開催その他の必要な措置を講じなければならない。
6 市長は、前項の協議をする場合には、本市の土地利用に関する基準との調和を図るため、当該事業者に対し、必要な措置を講ずるための助言又は指導を行うことができる。
7 市長は、前項の規定により助言又は指導を行う場合は、必要に応じて、審議会の意見を聴くことができる。
(平24条例26・平27条例61・平30条例31・令2条例26・一部改正)
(特定関係当事者間の意見等の調整)
第6条の2 市街化区域以外の区域内において、前条第1項各号に掲げる開発事業を行おうとする事業者及び周辺の住民等(以下「特定関係当事者」という。)は、特定関係当事者間の当該開発事業についての意見等の調整を市長に要請することができる。
3 市長は、第1項の規定による要請を受けたときは、必要に応じて、特定関係当事者と協議の上、調整を行うものとする。
4 市長は、前項の規定による調整を行うため必要があると認めるときは、特定関係当事者に対し、出席を求め、意見若しくは説明を聴き、又は資料の提出を求めることができる。
5 市長は、第3項の規定により調整を行う場合は、必要に応じて、審議会の意見を聴くことができる。
(平27条例61・追加)
(平27条例61・一部改正)
(公表)
第8条 市長は、前条の規定により勧告を受けた事業者が正当な理由がなく当該勧告に従わないときは、その旨を公表することができる。
2 市長は、前項の規定による公表をしようとするときは、あらかじめ、当該公表をされるべき者にその理由を通知し、かつ、意見を述べ、及び有利な証拠を提出する機会を与えるとともに、審議会の意見を聴かなければならない。
(大規模な開発事業の手続の特例)
第9条 事業者は、市街化区域以外の区域内において、その面積が5,000平方メートル以上の土地に係る開発事業を行おうとするときは、第6条第1項の規定による実施計画書の提出前に、次に掲げる事項について、市長と協議しなければならない。
(1) 開発事業の区域、土地の面積並びに予定される建築物の用途及び規模
(2) 土地利用の方針に関する事項
(3) 公共施設及び公益施設の整備の方針に関する事項
(4) 環境及び景観の保全の方針に関する事項
(5) 雨水、排水、廃棄物及び交通の処理の方針に関する事項
(6) その他市長が特に必要があると認める事項
(1) 都市計画事業(法第4条第15項に規定する都市計画事業をいう。)として行う行為又はこれに準ずる行為として市長が定める行為
(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(3) 協定区域外における専ら自己の居住の用に供する建築物の建築(規則で定める中高層の建築物及び住宅宿泊事業施設の建築を除く。)
(4) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で市長が定めるもの
(平30条例31・一部改正)
(援助)
第11条 市長は、住民等の自主的な土地利用基準の策定を推進するため必要があると認めるときは、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。
2 市長は、住民等の自主的な土地利用の適正化に係る活動に対して、必要な支援をすることができる。
(表彰)
第12条 市長は、土地利用の適正化に著しく貢献した者を表彰することができる。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、規則で定める日から施行する。〔平成12年規則第96号で、平成12年7月1日から施行〕
附則(平成24年3月26日条例第26号、金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例及び金沢市における土地利用の適正化に関する条例の一部を改正する条例第2条による改正抄)
1 この条例は、平成24年7月1日から施行する。
3 第2条の規定による改正後の金沢市における土地利用の適正化に関する条例(以下「新土地利用適正化条例」という。)の規定は、平成24年10月1日以後に着手する新土地利用適正化条例第2条第2号に規定する開発事業について適用する。
附則(平成27年12月21日条例第61号、金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例及び金沢市における土地利用の適正化に関する条例の一部を改正する条例第2条による改正抄)
1 この条例は、平成28年1月1日から施行する。
3 施行日前にされた第2条の規定による改正前の金沢市における土地利用の適正化に関する条例(以下この項において「旧土地利用適正化条例」という。)第5条第2項の規定による届出に係る開発事業(旧土地利用適正化条例第2条第2号に規定する開発事業をいう。以下この項において同じ。)及び施行日前にされた旧土地利用適正化条例第6条第1項の規定による実施計画書の提出に係る開発事業(旧土地利用適正化条例第4条の規定により締結された土地利用に関する協定に係る区域内に係るものに限る。)については、なお従前の例による。
附則(平成30年3月26日条例第31号、金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例及び金沢市における土地利用の適正化に関する条例の一部を改正する条例第2条による改正)
1 この条例は、公布の日から施行する。
2 第1条の規定による改正後の金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例(以下「新まちづくり条例」という。)又は第2条の規定による改正後の金沢市における土地利用の適正化に関する条例(以下「新土地利用条例」という。)の規定は、平成30年6月15日以後に実施する住宅宿泊事業(住宅宿泊事業法(平成29年法律第65号)第2条第3項に規定する住宅宿泊事業をいう。)の用に供する施設に係る新まちづくり条例第2条第2号又は新土地利用条例第2条第2号に規定する開発事業について適用する。
附則(令和2年3月25日条例第26号、金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例及び金沢市における土地利用の適正化に関する条例の一部を改正する条例第2条による改正抄)
1 この条例は、令和2年4月1日から施行する。ただし、第1条中金沢市における市民参画によるまちづくりの推進に関する条例第2条に2号を加える改正規定、第14条第1項に1号を加える改正規定及び同条第2項にただし書を加える改正規定、第2条中金沢市における土地利用の適正化に関する条例第2条に2号を加える改正規定、第6条第1項に1号を加える改正規定及び同条第2項にただし書を加える改正規定並びに次項及び附則第3項の規定は、同年7月1日から施行する。
3 第2条の規定(附則第1項ただし書に規定する改正規定に限る。)による改正後の金沢市における土地利用の適正化に関する条例(以下「新土地利用条例」という。)の規定は、令和2年10月1日以後に着手する新土地利用条例第2条第2号に規定する開発事業について適用する。