○金沢市における木の文化都市の継承と創出の推進に関する条例

令和4年3月4日

条例第2号

目次

第1章 総則(第1条―第6条)

第2章 木の文化都市推進計画(第7条)

第3章 木の文化都市の継承と創出の推進に関する基本的な施策等(第8条―第16条)

第4章 木の文化都市を継承・創出する金沢会議(第17条―第20条)

第5章 雑則(第21条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市における木の文化都市の継承と創出の推進について、基本理念を定め、並びに市、市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項等を定めることにより、木の文化都市の継承と創出に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって本市固有の歴史、文化及び自然と調和した品格と魅力のある持続可能な都市の実現に寄与することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 木の文化都市 都市固有の歴史及び自然と調和した木の文化を有し、かつ、木が持つ環境保全機能、再生可能な循環資源としての性質、安らぎや癒しを与える効用等の様々な優れた特性をまちづくりに生かした持続可能な仕組みを備える都市をいう。

(2) 木の文化 木が形成する自然環境及び建築物、工芸品その他木の質感を醸し出すものをまちなみ及び生活に幅広く取り入れることによって形成される文化をいう。

(3) 公共建築物 脱炭素社会の実現に資する等のための建築物等における木材の利用の促進に関する法律(平成22年法律第36号)第2条第2項に規定する公共建築物をいう。

(基本理念)

第3条 木の文化都市の継承と創出の推進は、本市において培われてきた木の文化の意義を認識し、これを尊重するとともに、先人たちによって築かれてきた木の文化都市を継承し、かつ、これを磨き高めて新たな有り様を創出し、発展させ、後代へと継承していくことを見据えて行われなければならない。

2 木の文化都市の継承と創出の推進は、地球温暖化の防止が人類共通の課題であるとの認識の下に、環境への負荷を低減し、循環型社会の形成及び脱炭素社会の実現に貢献するとともに、持続可能な社会の実現に資することを旨として、行われなければならない。

3 木の文化都市の継承と創出の推進は、市民の自主性を十分に尊重しつつ、それぞれの興味、関心、生活環境等に応じて多様な形態で木に親しむ社会的気運を醸成しながら、行われなければならない。

4 木の文化都市の継承と創出の推進は、市民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現を促進するとともに、市民が誇りと愛着を持つことのできる活力に満ちた地域社会の実現及び地域経済の活性化に資することを旨として、行われなければならない。

5 木の文化都市の継承と創出の推進は、市、市民及び事業者がそれぞれの役割を認識し、これらの者の相互の理解と連携の下に、協働して行われなければならない。

(市の役割)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、木の文化都市の継承と創出の推進に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、基本理念にのっとり、前項の規定により策定する施策に市民及び事業者の意見を十分に反映させるよう努めるとともに、当該施策の実施に当たっては、これらの者の理解と協力を得るよう努めなければならない。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、木の文化都市についての理解と関心を深めるとともに、その日常生活を通じて、木の文化都市の継承と創出の推進に自主的に取り組むよう努めるものとする。

2 市民は、基本理念にのっとり、本市が実施する木の文化都市の継承と創出の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第6条 事業者は、基本理念にのっとり、木の文化都市についての理解と関心を深めるとともに、その事業活動を行うに当たっては、木の文化都市の継承と創出の推進に積極的に取り組み、そのための必要かつ適切な措置を講ずるよう努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、本市が実施する木の文化都市の継承と創出の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

第2章 木の文化都市推進計画

(木の文化都市推進計画の策定)

第7条 市長は、木の文化都市の継承と創出に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、木の文化都市の継承と創出の推進に関する基本的な計画(以下「木の文化都市推進計画」という。)を定めるものとする。

2 木の文化都市推進計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 木の文化都市の継承と創出に関する施策の推進に係る基本方針

(2) 木の文化都市の継承と創出に関する施策の推進に係る事項

(3) その他必要な事項

3 市長は、木の文化都市推進計画を定めるに当たっては、あらかじめ第17条に規定する木の文化都市を継承・創出する金沢会議の意見を聴かなければならない。

4 市長は、木の文化都市推進計画を定めるに当たっては、市民及び事業者の意見が十分反映されるよう努めるものとする。

5 市長は、木の文化都市推進計画を定めたときは、これを公表しなければならない。

6 前3項の規定は、木の文化都市推進計画を変更する場合について準用する。

第3章 木の文化都市の継承と創出の推進に関する基本的な施策等

(木の文化都市の継承と創出の推進に取り組む意識の醸成)

第8条 市は、木の文化都市の継承と創出の推進について、市民及び事業者の理解と関心を深め、その意識の醸成を図るため、普及啓発その他必要な施策を講ずるものとする。

(環境負荷の低減等)

第9条 市は、市民及び事業者と一体となって木の文化都市の継承と創出に関する施策を推進することにより、脱炭素化等による環境への負荷の低減及び環境の保全を図るものとする。

(持続可能な事業環境の実現)

第10条 市は、木に関わる者への適切な情報の提供その他の必要な施策を計画的に講じ、それらの者の持続可能な事業環境の実現を図るものとする。

2 市は、木材が安定的に需要され、及び供給されるよう、木の植栽、育成、保全及び利用の好循環を創出し、及び維持するよう努めるものとする。

(日常生活及び事業活動の中での木の利用)

第11条 市は、市民及び事業者が、木の利用の重要性に対する理解と関心を深め、その意義を学ぶ機会及び木に親しむ機会を提供することにより、その日常生活及び事業活動の中で広く木を利用することができるよう環境の整備を図るものとする。

(民間施設等における木の利用等の促進)

第12条 市は、市の施設以外の施設等における木の利用等を促進するため、次に掲げる事項について必要な施策を講ずるよう努めるものとする。

(1) 市以外の者が整備する公共建築物における木材の利用の促進に関すること。

(2) 公共建築物以外の建築物における木材の利用の促進に関すること。

(3) 建築以外の分野における木材の利用の促進に関すること。

(4) その他木に親しむことができる環境の整備の促進に関すること。

(市の施設における積極的な木の利用等)

第13条 市は、自ら行う建築物等の整備に木材及び木材を使用した製品を率先して利用するよう努めるものとする。

2 市は、市の施設において、市民が様々な機会で幅広く木が醸し出す効用を感じられるよう、木に親しむことができる環境の整備その他の必要な施策を講ずるものとする。

(木の文化都市を支える連携体制の整備)

第14条 市は、木の文化都市の継承と創出の推進を図るため、市、市民、事業者、大学その他関係機関の連携体制の整備に努めるものとする。

(人材等の育成)

第15条 市は、木の文化都市の継承と創出を推進し、又はその支援を行う人材及び団体の育成に努めるものとする。

2 市は、木の文化都市の継承と創出の担い手を育成するため、市民及び事業者に対し、地域間、業種間等における多様な交流の促進、研修等の支援その他必要な施策を講ずるものとする。

3 市は、子どもをはじめ広く市民が木に親しむとともに、木の文化都市についての理解と関心を深めるよう、木と触れあう場の充実その他の必要な施策を講ずるものとする。

(財政上の支援)

第16条 市長は、木の文化都市の継承と創出に関する施策を推進するために必要があると認めるときは、予算の範囲内において、財政上の支援をすることができる。

第4章 木の文化都市を継承・創出する金沢会議

(金沢会議)

第17条 木の文化都市の継承と創出の推進を図るため、木の文化都市を継承・創出する金沢会議(以下「金沢会議」という。)を置く。

(金沢会議の任務)

第18条 金沢会議は、この条例に規定する事項その他の木の文化都市の継承と創出の推進に関する事項について市長の諮問に応ずるほか、木の文化都市の継承と創出の推進に関し必要な事項について市長に意見を述べることができる。

(組織等)

第19条 金沢会議は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、木の文化都市の継承と創出の推進に関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 金沢会議に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 会長は、会務を総理し、金沢会議を代表する。

6 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(専門部会)

第20条 金沢会議に、必要な事項を専門的に調査検討するため、専門部会を置くことができる。

2 専門部会は、専門委員若干人で組織する。

3 専門委員は、当該専門の事項に関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

第5章 雑則

(委任)

第21条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、令和4年4月1日から施行する。

金沢市における木の文化都市の継承と創出の推進に関する条例

令和4年3月4日 条例第2号

(令和4年4月1日施行)

体系情報
第13類 都市整備/第1章 都市計画等/第1節 都市計画
沿革情報
令和4年3月4日 条例第2号