○金澤町家の保全及び活用の推進に関する条例

平成25年3月26日

条例第1号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 金澤町家の保全及び活用の推進に関する基本的な施策等(第8条―第19条)

第3章 特定金澤町家の登録等(第20条―第23条)

第4章 金澤町家保全活用審議会(第24条―第26条)

第5章 雑則(第27条・第28条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、本市の歴史、伝統及び文化を伝える貴重な資産である金澤町家の保全及び活用の推進について、基本理念を定め、並びに市、市民、所有者等及び事業者の役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項等を定めることにより、金澤町家を次代に継承し、もって歴史的なまちなみの保全、文化的景観の保存及び個性豊かで魅力あるまちづくりの推進に資することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 金澤町家 本市の区域内に存する伝統的な構造、形態又は意匠を有する木造の建築物(寺院、神社、教会その他これらに類するものの建築物を除く。)のうち、本市の歴史、伝統及び文化を伝える建築物で、建築基準法(昭和25年法律第201号)の施行の際現に存していたものをいう。

(2) 文化的景観 文化財保護法(昭和25年法律第214号)第2条第1項第5号に規定する文化的景観をいう。

(3) 所有者等 金澤町家を所有する者又は使用することができる権利を有する者をいう。

(4) 事業者 宅地建物取引業法(昭和27年法律第176号)第2条第3号に規定する宅地建物取引業者並びに金澤町家の保全及び活用に係る設計又は施工を業として行う者をいう。

(基本理念)

第3条 金澤町家の保全及び活用の推進は、金澤町家が本市の歴史、伝統及び文化を伝える貴重な資産であることを認識して行われなければならない。

2 金澤町家の保全及び活用の推進は、市、市民、所有者等及び事業者がそれぞれの役割を認識し、これらの者の相互の理解と連携のもとに、協働して行われなければならない。

(市の役割)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、金澤町家の保全及び活用の推進に関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、基本理念にのっとり、前項の規定により策定する施策に市民、所有者等及び事業者(以下「市民等」という。)の意見を十分に反映させるよう努めるとともに、当該施策の実施に当たっては、市民等の理解と協力を得るよう努めなければならない。

(市民の役割)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、金澤町家の保全及び活用についての理解と関心を深めるよう努めるとともに、本市が実施する金澤町家の保全及び活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(所有者等の役割)

第6条 所有者等は、基本理念にのっとり、自らが所有し、又は使用する金澤町家の現状を把握し、その保全に努めるとともに、本市が実施する金澤町家の保全及び活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

(事業者の役割)

第7条 事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動を行うに当たっては、金澤町家の保全及び活用に配慮するよう努めるとともに、本市が実施する金澤町家の保全及び活用の推進に関する施策に協力するよう努めるものとする。

2 事業者は、基本理念にのっとり、金澤町家の保全及び活用に必要な技術又は知識について理解を深めるよう努めるものとする。

第2章 金澤町家の保全及び活用の推進に関する基本的な施策等

(金澤町家の保全及び活用の推進に関する基本方針の策定)

第8条 市長は、金澤町家の保全及び活用に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、金澤町家の保全及び活用の推進に関する基本的な方針(以下「保全活用推進基本方針」という。)を定めなければならない。

2 保全活用推進基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 金澤町家の維持及び修復に関する事項

(2) 金澤町家の居住性及び利便性の向上に関する事項

(3) 金澤町家の活用の促進に関する事項

(4) 金澤町家の保全及び活用に係る市民等の意識の醸成及び人材の育成に関する事項

(5) その他金澤町家の保全及び活用の推進を図るために必要な事項

3 市長は、保全活用推進基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ、金澤町家保全活用審議会の意見を聴かなければならない。

4 市長は、保全活用推進基本方針を定めたときは、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、保全活用推進基本方針を変更する場合について準用する。

(金澤町家の維持及び修復)

第9条 市長は、関係機関と連携して、金澤町家の維持及び修復に関し必要な施策を実施するものとする。

(金澤町家の居住性及び利便性の向上)

第10条 市長は、金澤町家の居住性及び利便性の向上を図るため、金澤町家の改修、耐震性能の向上等に関し必要な施策を実施するものとする。

(金澤町家の活用の促進)

第11条 市長は、金澤町家の活用を促進するため、空き家となっている金澤町家について、有効な活用の方策が見込まれるときは、所有者等又は事業者に対し、必要な協力を要請することができる。

(普及啓発)

第12条 市長は、金澤町家の保全及び活用についての市民等の理解と関心を深めるため、その普及啓発に努めるものとする。

(人材の育成)

第13条 市長は、金澤町家の保全及び活用に必要な技術、技能及びこれらに関する知識について習熟した者の育成に努めるものとする。

(調査研究)

第14条 市長は、金澤町家の保全及び活用の推進に関する施策を効果的に実施するため、金澤町家の現状を把握し、必要な調査研究を行うよう努めるものとする。

(援助)

第15条 市長は、第19条第4項に定めるもののほか、金澤町家の保全及び活用の推進を図るため必要があると認めるときは、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。

(表彰)

第16条 市長は、金澤町家の保全及び活用の推進に著しく貢献した者を表彰することができる。

(金澤町家保全活用支援団体)

第17条 市民等は、金澤町家の保全及び活用を図ろうとする者を支援する活動を行う団体(以下「保全活用支援団体」という。)を組織することができる。

(金澤町家保全活用支援計画)

第18条 保全活用支援団体は、前条の活動に関する計画(以下「保全活用支援計画」という。)を策定することができる。

2 保全活用支援計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 名称

(2) 目標及び方針

(3) 自主的な取組に関する事項

(4) その他必要な事項

3 保全活用支援団体は、保全活用支援計画を策定するに当たっては、保全活用推進基本方針と調和するよう努めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。

(金澤町家保全活用推進協定)

第19条 保全活用支援団体は、前条の規定により保全活用支援計画を策定したときは、市長と金澤町家の保全及び活用の推進に関する協定(以下「保全活用推進協定」という。)を締結することができる。

2 市長は、保全活用推進協定を締結しようとするときは、金澤町家保全活用審議会の意見を聴くことができる。

3 前項の規定は、保全活用推進協定を変更する場合について準用する。

4 市長は、保全活用推進協定を締結したときは、当該保全活用推進協定の締結に係る保全活用支援団体に対し、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。

第3章 特定金澤町家の登録等

(平31条例25・追加)

(特定金澤町家の登録)

第20条 市長は、金澤町家のうち、本市の歴史、伝統及び文化を伝える上で特に保全及び活用の必要があると認めるものを、特定金澤町家として特定金澤町家登録簿(以下「登録簿」という。)に登録することができる。

2 市長は、特定金澤町家を登録しようとするときは、あらかじめ、金澤町家保全活用審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、特定金澤町家を登録したときは、その旨を当該特定金澤町家を所有する者に通知するとともに、登録簿を一般の閲覧に供するものとする。

(平31条例25・追加)

(特定金澤町家に係る行為の届出)

第21条 特定金澤町家を所有する者は、当該特定金澤町家の増築、改築、移転、除却、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をしようとするときは、当該行為に着手する日の90日前までに、規則で定めるところにより、市長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で市長が定めるもの

(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

2 市長は、前項本文の規定による届出があったときは、当該届出をした者に対し、情報の提供、助言その他の当該特定金澤町家の保全及び活用のために必要な支援を行うものとする。

(平31条例25・追加)

(金澤町家保全活用推進区域の指定)

第22条 市長は、金澤町家の保全及び活用が特に必要であると認める区域を、金澤町家保全活用推進区域(以下「保全活用推進区域」という。)として指定することができる。

2 市長は、保全活用推進区域を指定しようとするときは、あらかじめ、金澤町家保全活用審議会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、保全活用推進区域を指定するときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。

4 前2項の規定は、保全活用推進区域の指定を解除し、又はその区域を変更する場合について準用する。

(平31条例25・追加)

(保全活用推進区域内の金澤町家に係る行為の届出)

第23条 保全活用推進区域に存する金澤町家(特定金澤町家を除く。)を所有する者は、当該金澤町家の増築、改築、移転、除却、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更をしようとするときは、当該行為に着手する日の90日前までに、規則で定めるところにより、市長に届け出るよう努めなければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。

(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で市長が定めるもの

(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為

2 第21条第2項の規定は、前項本文の規定による届出があった場合について準用する。

(平31条例25・追加)

第4章 金澤町家保全活用審議会

(平31条例25・旧第3章繰下)

(金澤町家保全活用審議会)

第24条 金澤町家の保全及び活用を推進するため、金澤町家保全活用審議会(以下「審議会」という。)を置く。

(平31条例25・旧第20条繰下)

(審議会の任務)

第25条 審議会は、この条例に規定する事項その他の金澤町家の保全及び活用に関する事項について市長の諮問に応ずるほか、金澤町家の保全及び活用に関し必要な事項について市長に意見を述べることができる。

(平31条例25・旧第21条繰下)

(組織等)

第26条 審議会は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、金澤町家の保全及び活用に関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 審議会に、会長を置き、委員の互選によりこれを定める。

5 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。

6 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

(平31条例25・旧第22条繰下)

第5章 雑則

(平31条例25・旧第4章繰下)

(報告の徴収)

第27条 市長は、第3章の規定の施行に必要な限度において、所有者等若しくは事業者又は金澤町家の工事に係る発注者、設計者若しくは施工者に対し、必要な報告を求めることができる。

(平31条例25・追加)

(委任)

第28条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

(平31条例25・旧第23条繰下)

この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(平成31年3月25日条例第25号)

1 この条例は、平成31年4月1日から施行する。

2 改正後の第3章の規定については、この条例の施行後5年を目途として、金澤町家の保全及び活用の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

金澤町家の保全及び活用の推進に関する条例

平成25年3月26日 条例第1号

(平成31年4月1日施行)

体系情報
第13類 都市整備/第2章 都市景観
沿革情報
平成25年3月26日 条例第1号
平成31年3月25日 条例第25号