○金沢市公衆浴場法施行条例
平成24年12月17日
条例第68号
(趣旨)
第1条 この条例は、公衆浴場法(昭和23年法律第139号。以下「法」という。)の施行に関し、必要な事項を定めるものとする。
(用語の意義)
第2条 この条例で使用する用語の意義は、法で使用する用語の意義の例によるほか、次に定めるところによる。
(1) 普通公衆浴場 温湯、潮湯又は温泉その他を使用して同時に多数人を入浴させる公衆浴場であって、その利用目的及び利用形態が地域住民の日常生活にとって保健衛生上必要な施設として利用されるものをいう。
(2) その他の公衆浴場 普通公衆浴場以外の公衆浴場をいう。
(設置場所の配置の基準)
第3条 法第2条第3項の規定による条例で定める設置の場所の配置の基準は、新たに普通公衆浴場を設置しようとするとき(その他の公衆浴場を普通公衆浴場に変更しようとするときを含む。)は、既設の普通公衆浴場から350メートル以上の距離(両浴場本屋から最短直線で測定した距離をいう。)を保たなければならないこととする。ただし、次の各号のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
(1) 普通公衆浴場の用に供している建物が滅失し、損壊し、老朽化した等のため、その経営者がこれを新築し、又は改築して、引き続き同一の場所において普通公衆浴場を経営しようとするとき。
(2) 公用又は公共の用に供するために従前の場所において経営ができなくなったため、その経営者が公衆衛生上支障がないと市長が認める場所において普通公衆浴場を経営しようとするとき。
(3) 前2号に定めるもののほか、土地の状況、人口の密度等により公衆衛生上特別の理由があると市長が認めたとき。
(令5条例36・一部改正)
(普通公衆浴場の衛生等の基準)
第4条 普通公衆浴場に係る法第3条第2項の規定による条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。
(1) 換気及び採光又は照明については、次の措置を講ずること。
ア 脱衣室及び浴室には、直接外気に面した開閉のできる窓を設けて、換気を図ること。ただし、これに代わる適当な換気装置がある場合は、この限りでない。
イ 脱衣室及び浴室の採光又は照明は、床面において50ルクス以上の照度にすること。
ウ イに定めるもののほか、下足場、廊下、便所その他入浴者が直接利用する場所の採光又は照明は、床面において20ルクス以上の照度にすること。
(2) 保温及び衛生については、次の措置を講ずること。
ア 浴槽内の湯水(以下「浴槽水」という。)及び上がり湯の温度は、常に適温に保つこと。
イ 浴槽水は、常に満ちているようにすること。
ウ 浴槽水は毎日、完全に換水するとともに、その都度浴槽を清掃すること。ただし、濾過器等を使用して浴槽水を循環濾過させる場合にあっては、1週間に1回以上完全に換水するとともに、その都度浴槽を清掃すること。
エ 浴槽水の消毒は、市長が別に定めるところにより行うこと。
オ 浴槽水は、1年に1回(連日使用している浴槽水にあっては、1年に2回)以上水質検査を行うとともに、当該水質検査の結果が規則で定める水質基準に適合しなかったときは、直ちに、その旨を市長に報告すること。
カ 濾過器は、1週間に1回以上十分に洗浄して汚れを排出すること。
キ 濾過器及び循環配管(湯水を浴槽と濾過器等との間で循環させるための配管をいう。)は、1週間に1回以上高濃度の塩素その他の適切な薬剤により消毒するとともに、1年に1回程度は適切な方法により生物膜を除去すること。
ク 集毛器の内部は、毎日清掃すること。
ケ 浴槽水の消毒装置の維持管理を適切に行うこと。
コ 浴槽からあふれ出た湯水を再利用するため一時的に貯めておく水槽(以下「回収槽」という。)の湯水を浴用に供しないこと。ただし、これにより難い場合にあっては、回収槽の内部の清掃及び消毒を頻繁に行うとともに、レジオネラ属菌が繁殖しないように、別途、回収槽の水を塩素消毒すること。
サ 浴槽に気泡発生装置、ジェット噴射装置等微小な水粒を発生させる設備(以下「気泡発生装置等」という。)を設ける場合は、次によること。
(ア) 連日使用する浴槽水を使用しないこと。ただし、適切な衛生措置を行うときは、この限りでない。
(イ) 気泡発生装置等の内部に生物膜が形成されないよう清掃及び消毒を行うなど、適切に管理すること。
(ウ) 浴槽水に浴用剤を加えないこと。
シ 水位計配管は、内部に生物膜が形成されないよう消毒すること。
ス 貯湯槽を設ける場合は、次によること。
(ア) 貯湯槽内の湯水の温度を通常の使用状態において摂氏60度以上に保ち、かつ、最大使用時においても摂氏55度以上に保つこと。ただし、これにより難い場合にあっては、貯湯槽内の湯水を消毒すること。
(イ) 貯湯槽内の生物膜の状況を監視するとともに、必要に応じて清掃及び消毒を行うこと。
セ 調節箱(洗い場の湯栓やシャワーに送る湯の温度を調節するための水槽をいう。以下同じ。)を設ける場合は、内部の生物膜の状況を監視するとともに、必要に応じて清掃及び消毒を行うこと。
ソ 浴室のシャワー設備は、内部の水が置き換わるよう定期的に通水し、清掃及び消毒を行うなど、適切に管理すること。
タ 屋外に浴槽を設ける場合は、浴槽に植栽等の土が入り込まないよう注意するなど、適切に管理すること。
チ 脱衣室等の入浴者の見やすい場所に、浴槽内に入る前には身体を洗うこと等、公衆衛生に害を及ぼすおそれのある行為をしない旨を表示すること。
ツ 脱衣室及び浴室には、くず入れ及び使用済みのかみそりを廃棄するための容器を備えること。
テ 脱衣室、浴室、便所その他入浴者が直接利用する場所は、常に清潔に保ち、必要に応じて消毒すること。
ト ねずみ及び衛生害虫について毎月1回以上点検し、発生を認めたときは、直ちに駆除作業を行うこと。
ナ タオル、かみそり、くしその他これらに類するものを入浴者に貸与しないこと。ただし、新しいもの又は1人ごとに消毒した清潔なもの(かみそりを除く。)を貸与する場合は、この限りでない。
(3) 風紀については、次の措置を講ずること。
ア おおむね7歳以上の男女を混浴させないこと。
イ 善良の風俗を害するおそれのある文書、絵画、写真又は物品を掲げ、又は備えないこと。
(4) 構造及び設備については、次の措置を講ずること。
ア 下足場には、入浴者の履物を保管するための設備を設けること。
イ 脱衣室の出入口は、男女別に設け、入浴者の見やすい場所にその旨を掲示すること。
ウ 脱衣室、浴室、便所その他入浴者が直接利用する場所は、浴場外から見通すことができない構造にすること。
エ 脱衣室には、入浴者の衣類その他携帯品を各人ごとに保管するための設備を設けること。
オ 脱衣室及び浴室は、男女別に区別し、その境界には隔壁を設け、相互に見通すことができない構造にすること。
カ 脱衣室と浴室の境界は、透明なガラス戸等で仕切り、相互に見通すことができる構造にすること。
キ 脱衣室及び洗い場の床面積は、それぞれ男女とも16.5平方メートル以上にすること。
ク 浴室の床面、内壁(床面から1メートルまでの高さの部分に限る。)及び浴槽は、耐水性の材料で築造すること。
ケ 浴室の天井は、水滴の落下を防ぐ構造又は設備にすること。
コ 洗い場及び排水溝は、水流を良好にし、汚水を滞留させないようにすること。
サ 洗い場には、給湯栓、給水栓及びシャワーを設け、湯及び水を十分に補給すること。
シ 洗い場には、通常の入浴者の利用に十分な数の浴用容器及び腰掛け台を備えること。
ス 浴槽は、次に定める構造にすること。
(ア) 深さは、0.6メートル以上にすること。ただし、2以上の浴槽を設ける場合の従たる浴槽については、この限りでない。
(イ) 浴室内の浴槽の有効面積は、4平方メートル以上にすること。ただし、2以上の浴槽を設ける場合には、有効面積の合計を4平方メートル以上にし、主たる浴槽の有効面積を2平方メートル以上にすること。
(ウ) 出入りを容易にするための踏段を設けるほか、必要に応じて手すりその他の安全施設を設けること。
セ 浴槽への湯及び水の注入口は、浴槽の湯が逆流しない構造にすること。
ソ 濾過器等を使用して浴槽水を循環濾過させる場合は、次によること。
(ア) 濾過器は、1時間当たり浴槽の容量以上の濾過能力を有すること。
(イ) 濾過器の濾材は、洗浄又は交換及び消毒が容易にできるものにすること。
(ウ) 集毛器は、浴槽水が濾過器に入る前の位置に設けること。
(エ) 浴槽水の消毒に用いる塩素系薬剤等の注入口は、浴槽水が濾過器内に入る直前に設置すること。
タ 循環させた浴槽水を、打たせ湯、シャワー等に再利用しない構造にすること。
チ 配管内の浴槽水が完全に排水できるような構造にすること。
ツ 気泡発生装置等を設ける場合は、点検、清掃及び排水を容易に行うことができ、空気取入口から土ぼこりが入らないような構造にすること。
テ 水位計配管は、配管内の洗浄及び消毒ができる構造にすること。
ト 調節箱を設ける場合は、点検、清掃及び消毒ができる構造にすること。
ナ 貯湯槽を設ける場合は、次によること。
(ア) 貯湯槽は、内部の湯水の温度を通常の使用状態において摂氏60度以上に保ち、かつ、最大使用時においても摂氏55度以上に保つ能力を有する加温装置を備えること。ただし、内部の湯水を消毒する設備を設ける場合は、この限りでない。
(イ) 内部の湯水を完全に排水できる構造にすること。
ニ 屋外に浴槽を設ける場合は、次によること。
(ア) 屋外の浴槽及びこれに附帯する通路その他の部分は、男女別に区別し、その境界には隔壁を設け、相互に見通すことができない構造にすること。
(イ) 屋外には、洗い場を設けないこと。
(ウ) 屋外の浴槽に附帯する通路その他の部分へは、脱衣室又は浴室から直接出入りできる構造にすること。
(エ) 屋外の浴槽水と屋内の浴槽水とが、配管等を通じて混じり合わない構造にすること。
ヌ サウナ室又はサウナ設備(蒸気又は熱気を使用して入浴するための室又は設備をいう。以下同じ。)を設ける場合は、次によること。
(ア) サウナ室は、男女別に区別し、その境界には隔壁を設け、相互に見通すことができない構造にすること。
(イ) サウナ室の床面、内壁及び天井は、耐熱性の材料で築造すること。
(ウ) サウナ室の床面は、排水が容易に行えるよう勾配を設け、及び清掃が容易に行える構造にすること。
(エ) サウナ室及びサウナ設備の蒸気又は熱気の放出口及び放熱パイプは、直接入浴者の身体に接触しない構造にするほか、入浴者が接触するおそれのある箇所に金属部分があるときは、断熱材による被覆その他の安全措置を講ずること。
(オ) サウナ室には、換気を適切に行うための給気口及び排気口を設けること。
(カ) サウナ室及びサウナ設備には、適温を保つための温度調節設備を備えること。
(キ) サウナ室及びサウナ設備には、利用の基準温度を表示し、温度計を備えるほか、必要に応じて湿度計を備えること。
(ク) サウナ室には、室内を容易に見通すことができる窓を設けるほか、入浴者の見やすい場所に非常用ブザーその他の通報装置を備えること。
ネ 便所は、男女別に脱衣室等入浴者の利用しやすい場所に設け、窓又は換気設備及び流水式の手洗設備を設けること。
(5) 前各号に定めるもののほか、次の措置を講ずること。
ア 入浴者用の飲料水の設備には、その旨を表示すること。
イ 泥酔者その他入浴者の入浴に支障を及ぼすおそれのある者を入浴させないこと。
ウ 営業時間中は、浴場内を看視し、入浴者に対し、常に安全な状態を確保しておくこと。
(令2条例23・令3条例24・一部改正)
(その他の公衆浴場の衛生等の基準)
第5条 その他の公衆浴場に係る法第3条第2項の規定による条例で定める措置の基準は、次のとおりとする。
(1) 温湯、潮湯又は温泉その他を使用して独立した室内に公衆を入浴させる設備を設け、貸切りで利用させるものについては、次の措置を講ずること。
イ 個室には、脱衣室及び浴室を設けること。
(令2条例23・一部改正)
(委任)
第7条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
(令5条例36・一部改正)
附則
1 この条例は、平成25年4月1日から施行する。
(1) 平成5年4月1日前に許可を受けた場合 石川県公衆浴場基準条例の一部を改正する条例(平成5年石川県条例第7号。以下「県改正条例」という。)の規定による改正前の石川県公衆浴場基準条例(昭和45年石川県条例第16号)第4条第4号及び第5条に規定する公衆浴場の構造及び設備に係る措置の基準(平成5年4月1日から施行日の前日までの間において、当該公衆浴場の増築又は改築を行った場合にあっては、県改正条例の規定による改正後の石川県公衆浴場基準条例第4条第4号及び第5条に規定する公衆浴場の構造及び設備に係る措置の基準)
(2) 前号に掲げる場合以外の場合 県改正条例の規定による改正後の石川県公衆浴場基準条例第4条第4号及び第5条に規定する公衆浴場の構造及び設備に係る措置の基準
附則(令和2年3月25日条例第23号)
1 この条例は、令和2年7月1日から施行する。
2 この条例の施行の日(以下「施行日」という。)前に公衆浴場法(昭和23年法律第139号)第2条第1項の許可(以下「許可」という。)を受けている公衆浴場でこの条例の施行の際現に存するもの及びこの条例の施行の際現に許可の申請がなされている公衆浴場の構造及び設備に係る措置の基準については、改正後の第4条第4号及び第5条の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、施行日以後において、これらの公衆浴場の浴室の増築、改築又は大規模の修繕を行う場合は、この限りでない。
附則(令和3年3月22日条例第24号)
この条例は、令和3年7月1日から施行する。
附則(令和5年9月19日条例第36号)
この条例は、生活衛生関係営業等の事業活動の継続に資する環境の整備を図るための旅館業法等の一部を改正する法律(令和5年法律第52号)の施行の日又はこの条例の公布の日のいずれか遅い日から施行する。