○金沢市斜面緑地保全条例
平成9年3月26日
条例第1号
目次
第1章 総則(第1条―第4条)
第2章 斜面緑地の保全(第5条―第12条)
第3章 援助及び買取り(第13条―第15条)
第4章 雑則(第16条・第17条)
附則
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、金沢の起伏のある地形を造り、市民に憩いとやすらぎをもたらす斜面緑地を、動植物の貴重な生息地又は生育地として守り、都市の防災機能を確保しながら、市民と一体となって豊かなまちの緑として保全することを目的とする。
(用語の意義)
第2条 この条例において「斜面緑地」とは、金沢のまちなかから身近に眺望され、又はふかんされる台地又は丘陵の斜面の緑地で、樹林地、草地又は坂道等の緑が連続して個性的かつ良好な自然環境を形成しているものをいう。
(市長の任務)
第3条 市長は、第1条の目的を達成するため、周囲の景観と調和を図りながら、斜面緑地を保存し、育成し、及び創出することを基本方針とし、保全のための基本計画の策定、緑地保全対策事業、都市防災事業その他必要な施策を実施しなければならない。
2 市長は、前項の施策の実施に当たっては、市民及び事業者(以下「市民等」という。)の意見が十分に反映されるよう努めるとともに、斜面緑地の保全に関する市民等の意識の高揚を図る等の必要な措置を講じなければならない。
3 市長は、必要があると認めるときは、国、他の地方公共団体等に対し、斜面緑地の保全について協力を要請しなければならない。
(市民等の任務)
第4条 市民等は、第1条の目的を達成するため、斜面緑地が市民共通の貴重な財産であることを認識し、相互に連携及び協力をして、これらの斜面緑地を保全するよう自ら努めるとともに、市長が実施する施策に協力しなければならない。
第2章 斜面緑地の保全
(区域の指定)
第5条 市長は、斜面緑地として保全することが必要な区域(当該区域に隣接し、一体となって保全の効果を高めるために必要な区域を含む。)を、斜面緑地保全区域(以下「保全区域」という。)として指定することができる。
2 市長は、保全区域を指定しようとするときは、あらかじめ、金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例(平成21年条例第4号)第46条に規定する金沢市景観審議会(以下「景観審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
3 市長は、保全区域を指定するときは、その旨及びその区域を告示しなければならない。
(平21条例4・一部改正)
(斜面緑地保全基準)
第6条 市長は、保全区域ごとに斜面緑地を保全するための基準として、斜面緑地保全基準(以下「保全基準」という。)を定めるものとする。
2 保全基準には、次に掲げる事項のうち、必要な事項について定めるものとする。
(1) 緑地の保全に関する事項
(2) 建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の規模、位置、色彩、意匠及び形態に関する事項
(3) 動植物の生息環境及び生育環境の保全に関する事項
(4) 崩壊防止その他都市の防災上必要な事項
(5) その他市長が必要があると認める事項
3 市長は、保全基準を定めるときは、その旨及びその基準を告示しなければならない。
4 前条第2項の規定は、保全基準を定める場合について準用する。
(行為の届出)
第7条 保全区域内において、次に掲げる行為をしようとする者は、あらかじめ、その内容を市長に届け出なければならない。
(1) 宅地の造成、土地の開墾、土石の採取その他の土地の形質の変更
(2) 木竹の伐採
(3) 建築物等の新築、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更
(4) 物件のたい積
3 第1項の規定は、次に掲げる行為については、適用しない。
(1) 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で市長が定めるもの
(2) 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
(平21条例4・一部改正)
(助言、指導又は勧告)
第9条 市長は、第7条の規定による届出があった場合において、当該届出に係る行為が保全基準に適合しないと認めるときは、当該届出をした者に対し、斜面緑地の保全に必要な措置を講ずるよう助言、指導又は勧告をしなければならない。
(報告等)
第10条 前条の規定による助言、指導又は勧告を受けた者は、当該助言、指導又は勧告によって講じた措置について、市長に報告しなければならない。
2 市長は、前項の規定により報告を受けた場合は、必要に応じて実地調査をするものとする。
(協定の締結)
第11条 一定の区域内に存する土地又は建築物の所有者又はこれらについて使用することができる権利を有する者は、その相互において当該区域の斜面緑地の保全のための協定を締結することができる。
(斜面緑地保全協定の認定)
第12条 市長は、前条の協定で、その内容が斜面緑地の保全に寄与すると認めるものを斜面緑地保全協定として認定することができる。
第3章 援助及び買取り
(専門家の派遣)
第13条 市長は、市民が保全区域内で自ら斜面緑地を保全する場合において、市民からの要請があったときは、斜面緑地の保全に関する専門的知識を有する者を派遣することができる。
(その他の援助)
第14条 市長は、前条に定めるもののほか、保全区域内の斜面緑地の保全を図るため必要があると認めるときは、保全区域内における緑化推進、災害防止その他必要な指導等の技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。
2 市長は、市民による斜面緑地の保全のための活動に対して、必要な支援をすることができる。
(買取り)
第15条 市長は、保全区域内の斜面緑地の保全のために特に必要があると認めるときは、予算の範囲内において、保全区域内の土地(当該土地の上にある木竹を含む。)を買い取ることができる。
第4章 雑則
(意見の聴取)
第16条 市長は、斜面緑地の保全並びに援助及び買取りに関する重要な事項について、景観審議会又は金沢市自然環境保全条例(平成5年条例第1号)第6条に規定する金沢市自然環境保全審議会の意見を聴くことができる。
(平21条例4・一部改正)
(委任)
第17条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附則
この条例は、平成9年4月1日から施行する。
附則(平成21年3月24日条例第4号、金沢市における美しい景観のまちづくりに関する条例附則第12項による改正抄)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。〔平成21年規則第57号で、平成21年10月1日から施行〕