「化鳥」

泉 鏡花

【泉鏡花】

泉鏡花(本名・泉鏡太郎)は、1873年(明治6)11月4日、このバス停の近く金沢市下新町で生まれました。尾崎紅葉に師事して文壇に登場した明治時代半ばから、亡くなる1939年(昭和14)までに小説、戯曲を300編あまりも世におくり出しました。その幻想と浪漫に彩られた作風は、芥川龍之介、里見弴、三島由紀夫、澁澤龍彦など多くの文学者を魅了しました。

【物語】

1897年(明治30)、鏡花が23歳の時に発表した短編小説です。橋銭(通行料)をたよりに仮橋のたもとに母と二人で住んでいる少年、廉の一人称の語りによる物語です。人間の醜悪さを母に教えられている廉は、橋を通る人間を様々な動物に見立てます。そんなある日、廉は、浅野川でおぼれかけます。彼を助けてくれたのは誰か。母親は「五色の翼(はね)」がある「うつくしい姉(ねえ)さん」だというのですが。

【舞台】

『化鳥』の舞台は、浅野川に架かる「中の橋」です。橋を渡る際、一文の橋銭を支払ったことから「一文橋」とも呼ばれました。橋のたもとには、『化鳥』の文学碑が立てられています。中の橋は、歩行者専用の橋です。昔の木橋をイメージして建造された橋は、昼間と夜間のライトアップ時で、それぞれ異なる雰囲気を楽しむことができます。

【引用部分】

引用にある文は、廉が「五色の翼」がある「美しい姉さん」に助けられたことを母から聞く場面です。このあと廉はこの「美しい姉さん」に会いたくて様々な場所を訪ね歩きます。日も暮れかかり、妖しく心も惑い始めてふと自分の身体をみたとき……。廉にもう一度大きな危機が訪れるのです。

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