○金沢市森づくり条例

平成15年3月24日

条例第3号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 森づくりに関する基本的な施策等(第8条―第17条)

第3章 森林所有者等による自主的な森づくり(第18条・第19条)

第4章 金沢市森づくり市民会議(第20条―第22条)

第5章 雑則(第23条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、森林を育て、森林に親しみ、及び森林の恵みである木をかすこと(以下「森づくり」という。)について、基本理念、市、市民、森林所有者等及び森林関係事業者の責務、基本的な施策等を明らかにし、森づくりを積極的に推進することにより、本市の豊かな環境をはぐくむ森林を守り、貴重な財産として後代に継承することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 森林の公益的機能 国土の保全、水源のかん養、自然環境の保全、地球全体の温暖化の防止等の森林が有する公共の利益を確保し、及び増進する機能をいう。

(2) 森林所有者等 本市の区域内に所在する森林を所有する者又は森林を使用し、若しくは収益する権原を有する者をいう。ただし、国、県その他これらが設立した法人を除く。

(3) 森林関係事業者 森林の施業を行う者及び木材その他の林産物(以下「木材等」という。)の生産を業として行う者(以下「林業事業者」という。)、木材等の流通又は加工を業として行う者並びに事業活動に木材等を素材として利用する建築工事、家具の製造等を業として行う者をいう。

(基本理念)

第3条 森づくりは、森林の公益的機能が持続的に発揮されるよう、長期的な展望を持ち、地域の特性に応じて行われなければならない。

2 森づくりは、森林がすべての生物及び健康で文化的な市民生活に欠くことができない貴重な共有の財産であることを認識し、市、市民、森林所有者等及び森林関係事業者の相互の理解と協力のもとに、協働して行われなければならない。

(市の責務)

第4条 市は、前条に規定する基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、森づくりに関する総合的かつ計画的な施策を策定し、及び実施しなければならない。

2 市は、基本理念にのっとり、前項の規定により策定する施策に市民、森林所有者等及び森林関係事業者の意見を十分に反映させるよう努めるとともに、その施策の実施に当たっては、これらの者の理解と協力を得るよう努めなければならない。

(市民の責務)

第5条 市民は、基本理念にのっとり、森づくりについての理解と関心を深めるよう努めるとともに、本市が実施する森づくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。

(森林所有者等の責務)

第6条 森林所有者等は、基本理念にのっとり、自らが所有し、又は使用し、若しくは収益する森林の状況を理解し、その適正な整備及び保全を推進するとともに、本市が実施する森づくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。

(森林関係事業者の責務)

第7条 森林関係事業者は、基本理念にのっとり、その事業活動等を行うに当たっては、森林の適正な整備及び保全に配慮し、木材等の利用を促進するよう努めるとともに、本市が実施する森づくりに関する施策に協力するよう努めなければならない。

第2章 森づくりに関する基本的な施策等

(森づくりに関する基本方針の策定)

第8条 市長は、森づくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、森づくりに関する基本的な方針(以下「森づくり基本方針」という。)を定めなければならない。

2 森づくり基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) 森林の整備及び保全に関する事項

(2) 森林とのふれあいの機会の確保に関する事項

(3) 森林の資源の循環的な利用の促進に関する事項

(4) その他森づくりを推進するために必要な事項

3 市長は、森づくり基本方針を定めるに当たっては、あらかじめ第20条に規定する金沢市森づくり市民会議の意見を聴かなければならない。

4 市長は、森づくり基本方針を定めたときは、これを公表しなければならない。

5 前2項の規定は、森づくり基本方針を変更する場合について準用する。

(森林の整備及び保全の推進)

第9条 市は、森林の整備及び保全を推進するため、造林、保育その他の森林の施業を適切に行うために必要な施策を実施するほか、保安林の指定に関する情報の提供等を通してその制度の活用を図るものとする。

2 市は、森林の整備及び保全の効率性の向上を図るため、森林所有者等及び林業事業者による計画的かつ一体的な森林の施業の実施を促進するために必要な施策を実施するものとする。

(林業の健全な発展)

第10条 市は、林業の健全な発展を通して森林の整備及び保全を円滑に推進するため、森林の施業の効率化、林業の事業基盤の強化その他必要な施策を実施するものとする。

2 市は、林業に従事する者の育成及び確保を図るため、就業の促進、林業に関する技術の向上その他必要な施策を実施するものとする。

(市民の森づくりの活動の推進)

第11条 市は、森づくりについての市民の理解を深めるため、その知識の普及及び啓発、市民の森林とふれあう機会の確保その他必要な施策を実施するものとする。

2 市は、青少年の森林を大切にする心を培うため、自然体験活動その他森づくりに関する学習活動を推進するために必要な施策を実施するものとする。

3 市は、市民又はその組織する団体が自発的に行う植林活動その他の森づくりの活動を推進するため、人材の育成その他必要な施策を実施するものとする。

(山間地域の活性化等)

第12条 市は、山間地域の活性化を通して森林の公益的機能の維持及び増進を図るため、山間地域に生活する者の生活環境の整備、山間地域における地域特産物の生産の振興その他必要な施策を実施するものとする。

2 市は、森林及び山間地域に対する市民の理解と関心を深めるとともに、市民の健康でゆとりのある生活に資するため、森林及び山間地域の利用の促進その他必要な施策を実施するものとする。

(木材等の流通業及び加工業の健全な発展)

第13条 市は、木材等の流通業及び加工業の健全な発展を通して当該木材等の適切な供給及び利用の促進を図るため、当該流通業及び加工業の事業基盤の強化、林業との連携の推進、流通及び加工の効率化その他必要な施策を実施するものとする。

(木材等の利用の促進等)

第14条 市は、木材等の適正な利用の促進に資するため、木材等の利用の意義に関する知識の普及及び情報の提供、建物及び工作物における木材等の利用の促進、木材等の新たな需要の開拓の促進その他必要な施策を実施するものとする。

2 市は、建物又は工作物の整備を行うに当たっては、率先して木材等の適正な利用の促進に努めなければならない。

(市営造林事業の運営)

第15条 市は、森林の公益的機能の維持及び増進を図るため、自らの造林事業について計画的かつ適切な施業を行わなければならない。

(協力の要請)

第16条 市長は、森づくりを推進するため必要があると認めるときは、国、県その他関係団体に対し、森づくりについての協力を要請しなければならない。

(援助)

第17条 市長は、第19条第4項に定めるもののほか、森づくりを推進するため必要があると認めるときは、技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。

第3章 森林所有者等による自主的な森づくり

(ふるさとの森づくり計画)

第18条 森林所有者等は、森林の公益的機能を将来にわたって維持し、及び増進するため、共同して、一定の地域における森林の整備及び保全に係る森づくりに関する計画(以下「ふるさとの森づくり計画」という。)を策定することができる。

2 ふるさとの森づくり計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。

(1) ふるさとの森づくり計画の名称

(2) ふるさとの森づくり計画の対象となる森林の区域

(3) 森づくりの目標及び方針

(4) その他森林の公益的機能を将来にわたって維持し、及び増進するために必要な事項

3 森林所有者等は、ふるさとの森づくり計画を策定するに当たっては、森づくり基本方針と調和するよう努めなければならない。これを変更する場合も、同様とする。

(ふるさとの森づくり協定)

第19条 森林所有者等は、前条の規定によりふるさとの森づくり計画を策定したときは、市長とふるさとの森づくりに関する協定(以下「ふるさとの森づくり協定」という。)を締結することができる。

2 市長は、ふるさとの森づくり協定を締結しようとするときは、次条に規定する金沢市森づくり市民会議の意見を聴くことができる。

3 前項の規定は、ふるさとの森づくり協定を変更する場合について準用する。

4 市長は、ふるさとの森づくり協定を締結したときは、当該ふるさとの森づくり協定の締結に係る森林所有者等に対し、森林の整備及び保全等に関する専門的な知識又は技術を有する者の派遣その他の技術的な援助をし、又は予算の範囲内において、財政的な援助をすることができる。

第4章 金沢市森づくり市民会議

(金沢市森づくり市民会議)

第20条 森づくりを推進するため、金沢市森づくり市民会議(以下「市民会議」という。)を置く。

(市民会議の任務)

第21条 市民会議は、この条例に規定する事項その他の森づくりに関する事項について市長の諮問に応ずるほか、森づくりに関し必要な事項について市長に意見を述べることができる。

(組織等)

第22条 市民会議は、委員15人以内で組織する。

2 委員は、市民及び森づくりに関し識見を有する者のうちから、市長が委嘱する。

3 委員の任期は、2年とする。ただし、委員に欠員を生じた場合における補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

4 市民会議に、会長を置き、委員の互選によりこれを選任する。

5 会長は、会務を総理し、市民会議を代表する。

6 会長に事故があるときは、会長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。

第5章 雑則

(委任)

第23条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、平成15年4月1日から施行する。

金沢市森づくり条例

平成15年3月24日 条例第3号

(平成15年4月1日施行)

体系情報
第9類 産業・経済/第5章 農林業
沿革情報
平成15年3月24日 条例第3号